成果は出た。でも、人は育っただろうか｜改めて考えたい組織と人材育成

年末になると、多くの経営者や管理職は今年の成果を振り返ります。
数字、プロジェクトの達成、売上や利益。
「今年はよくやった」と言える結果が出ている会社も多いでしょう。

しかし、ふと立ち止まった時、こんな感覚が残ることはないでしょうか。

「成果は出た。でも、人は育ったのだろうか。」

この問いは、成果を否定するものではありません。
むしろ、成果が出たからこそ浮かび上がる問いです。

忙しい一年ほど、「結果を出せる人」に仕事が集中し、「育てる余裕」は後回しになりがちです。
短期的には合理的です。
しかしその結果、
・判断を任せられる人は増えたか
・次のリーダー候補は育っているか
・現場は自走力を高めただろうか
という問いに、即答できないことも少なくありません。

成果と育成は、必ずしも一致しません。
成果は「結果」、育成は「蓄積」です。
今年の成果は、来年も再現できるでしょうか。
それを支える力は、どれだけ組織に残っているでしょうか。

育成は、年末に突然振り返って評価できるものではありません。
日々の関わり方、任せ方、評価の仕組み、そうした積み重ねの結果として、「後に」なって現れます。

管理職は今年、「答える人」だったでしょうか。
それとも、「考えさせ、育てる人」だったでしょうか。

成果は大切です。
しかし、成果だけを見ていると、人の成長は見えにくくなります。

年末だからこそ、少し立ち止まって考えてみたい問いです。

成果は出た。しかし、人は育っただろうか。