「自由にやればいい」「型にとらわれなくていい」
社員のチャレンジや成長を後押しするために、こんな言葉が使われる場面を耳にすることが増えました。
一方で、その「自由」は、本当に組織や人を前に進めているのだろうか、と考えさせられることも少なくありません。
今年の私のテーマは、午年にちなみ「天馬行空」としました。
天馬が大空を自由に駆け巡るように、常識や慣例に縛られず、そして、これまで培ってきた実践知を型に押し込めることなく、私らしく自由闊達に、目の前のリーダーや組織にとって真に価値ある変革を、より大胆に、しなやかに伴走していきたい。
そんな想いを込めています。
ただし、ここで言う「自由闊達」「型にとらわれない」は、決して「やみくも」や「場当たり的」を意味するものではありません。
組織にはルールがあり、制約があります。
その中で何を選び、どう動いていくのか。
「制限の中での自由」をどう使いこなすかは、個人の力量に委ねられています。
そして、その前提として欠かせないのが、「基本ができている」という事実です。
これは、よく言われる「守破離」の「守」にあたります。
- 守:基本の型を徹底的に身体に叩き込む
- 破:型を理解した上で、自分なりの工夫を加える
- 離:型から自由になり、独自の境地を拓く
守を飛ばして、破や離はありません。
私自身、コーチングにおいては、理論を正しく学び、実践し、振り返り、再び学ぶというプロセスを繰り返してきました。
その積み重ねによって、理論と実践に裏打ちされた、自分なりのメソッドが形になってきたと感じています。
経営についても同じです。
以前は「勘」と「経験」、そして独学に頼ってきました。
エグゼクティブMBAでゼロから体系的に学び、200を超えるケースメソッドを通じて経営の疑似体験を重ねたことで、ようやく自分の中に「守」が確立されました。
その土台ができたからこそ、状況に応じて「破」や「離」を実践できるようになってきたと感じています。
これは、戦略人事、マネジメント、人材育成においても、まったく同じです。
一方で、ビジネスのスピードが著しく速まる昨今、基本がおろそかにされがちであることに、強い危機感も覚えます。
「そこまで時間をかけられない」
「走りながら覚えてもらうしかない」
現実問題として、そうせざるを得ない状況であることは理解できます。
しかし、それは「守」を軽視してよい理由にはなりません。
もし、以前のように企業が十分な育成時間を確保できないのであれば、どうすれば学びと実践を並行しながら、「守」の確立から「破・離」へと進化できるのか。
個人任せにするのではなく、その土台づくりに、企業として本気で向き合う必要があるのではないでしょうか。
千利休は、次のような言葉を残しています。
「その道に入らんと思ふこころこそ 我身ながらの師匠なりけれ」
「稽古とは一より習ひ十を知り 十よりかへるもとのその一」
学び続ける心こそが、進化の原動力です。
ビジネスも同じ。
基本に立ち返りながら挑戦を重ねることで、初めて真の革新が生まれます。
2026年、私は「天馬行空」の精神で、型を大切にしながら、型に縛られず、目の前のリーダーや組織にとって本質的な変革を伴走する一年にしていきます。
あなたの組織にとって、今年挑戦すべき「守破離」は何でしょうか。
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株式会社インフィニティ
代表取締役 尾藤由佳
『組織を強くする実践知』
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