誰だって変わることができる

人は「必ず」変わることができる

「人は必ず変わります。」
今なら自信を持ってそう断言できますが、少し前まではなんだか中途半端な、いわゆる奥歯に物が挟まったような言い方をしていました。
「変われると思います・・・」

研修やワークショップのご依頼を頂く時に、担当者様からよく頂く質問の一つして
「御社の研修で、どれくらいの人が変わりましたか?」
というのがあります。
こんな質問を頂いた時の私の答え。以前はこうでした。
「1回の研修だけでは変わらないと思います。私たちにできることは、『変わった方がいいな』『変わろう』という気づきの種火を起こしてあげあるだけ。その炎を大きく燃やすも消すのも、その後の取組みと周囲のサポートが大きく影響します。ですから、できましたら単発研修ではなく、その後のフォローもお手伝いさせていただけると嬉しく思います。」

とっても優等生的回答です。
このように言って、ほとんどのお客様は「まあ、そうだよね~」と納得なさいます。

しかし!
自分では気づいていなかった。いや、本当は気づいているけど気づかないふりをしていた「逃げ」がありました。
「結局は、変わるも変わらないもその人次第だから、私たちは与えられた条件で最善のお手伝いはするけれど、『変わる』という保証はできないし責任も持てない。だって人を無理矢理変えることはできないんだから。」
心の憶測には、こんなズルい思いがあったのです。情けない・・・・

一昨日放送されたNHK 『プロフェッショナル 仕事の流儀』のワンちゃんスペシャルで、手をつけられないほどに凶暴になってしまった犬を専門に請け負っているトレーナー 中村信哉さんの話に釘付けになって見ました。
中村さんのもとには、プロのトレーナーたちもギブアップした子たちが最後の砦としてやってきます。
中村さん自身も何度も噛まれてケガをしたり、その厳しいトレーニング方法に厳しい批判を浴びたり。
しかし、彼のところでの更生率は8割。ダメなら殺処分を免れ得ない子たちと時間をかけて真剣に向き合っている。犬たちが変わることを信じて待つ。何度も何度も繰り返し、待つ。
それでもどうしてもダメな子もいます。その子はダメだったと手放すのではなく、中村さんの子として引き取り、命を全うさせてあげている。
批判を怖れることなく、飼い主さんの笑顔とその子の幸せを願って、飼い主さんのもとへ返してあげるんだと強い信念を持って自分を貫く。そこまでの覚悟とプライドを持ってやる。
それが自分のプロとして流儀だと。

この番組を見ていて、本当に自分が情けなくまた、恥ずかしくなってしまいました。
私は自分自身が「変わる」ことに人一倍、いえ、人の何倍も苦労し、時間もかかりました。ですから、その心の葛藤や苦しみ、みじめさ、情けなさ、大変さは身をもって分かっているつもりです。
最終的には「自分次第」なのですが、そこに至るまでの困難を十分すぎるほど分かっているつもりです。(もちろん、比較的すんなりと変われる人もたくさんいます)
パーソナリティ障害だと揶揄された私でも「変わることができる」と、身をもって知っています。
犬と人間が違うところ。
それは、「人は必ず変わることができる」という事です。その事を私は知っている。
どんな人も。誰であっても。いつからでも。いくつからでも。
そうであれば、「変われますか?」とお客様から質問をいただいた時、「変われます。」と自信と責任を持ってお答えするのが私のプロとしてのあり方なのではないかと、今さらながらに思うのです。

もちろん、魔法をかけたように傍目に分かるほど瞬時に変わることはないでしょう。これまで沁みついた悪しき習慣(考え方も行動も)を拭い落すには時間はかかります。人によって比較的早い人もいれば、私のように何年もかかる人もいるでしょう。
それでも、誰もが持っている心の奥底の「目覚めの原型」に火が灯るのは瞬時の人もいることは確かです。(火が灯りづらい人ももちろんいます。)
私が強制的に「変える」のではなく、私にできることはその方が「自分で変わる」ための援護射撃をすることだけです。
また多くの場合、私が最後までお手伝いできるとは限りません。
それでも人は、必ず変わるのです。
それは「変わる」と言うよりも「人として成長する」と言った方が正しいのですが、とにかく「必ず変わる」のです。

中村さんを見ていて、私には信念と覚悟が足りなかったのだと猛省しました。

変わりたいあなた
なかなか変われないあなた
自分は無理かもと諦めかけているあなた 
もう今さらと思ってしまっているあなた
人は必ず変わります。
いくつになっても人は今より成長できるのです。

もしよければ、私にそのお手伝いをさせていただけませんか。
必ずあなたは変わることができますから。

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