マネジメント・リーダーシップ組織開発

職場のパワハラ

「職場のパワハラって、具体的にどういうのがあるんですか?」
という質問を頂きました。
何となくわかるような、わからないような・・・・
そういう方も多くいらっしゃるのだと、思いつく限りを書いてみました。
(上司から部下へに限らず、同僚間、部下から上司へなどの場合も含みます。)

◆仕事に関連して相手を傷つける
・頼んだ仕事以外は一切させない。
・自由裁量を一切認めない
・必要な情報を故意に与えない
・相手の意見や考えを全て拒否したりけなしたりする
・相手の能力とは遠く離れた単純作業しかさせない
・相手の能力では難しい困難な仕事ばかりをさせる
・仕事を与えない
・何度も何度も執拗にやり直しをさせる
・終業時間間際になると残業を言いつける
・毎日残業させる
・有給休暇を認めない
・昇進、昇給の機会を与えない
・仕事に必要な教育の機会を与えない
・電話番や留守番が必要などの理由で毎回会議に出席させない

◆コミュニケーションに関連して
・仲間外れにする
・話しかけない
・話そうとすると話を遮る、または無視する
・一緒にいても存在を無視して他の人にばかり話しかける
・メールでしか指示を与えない
・一切の意見、質問を受け付けない
・相手にはわからない隠語をわざと用いて会話をする

◆個人のプライドを傷つける
・相手のの家族や友人などの悪口を言う
・私生活を批判する
・周囲からの信頼を失わせるような事を言う。噂を振りまく
・精神的に問題があるような事を周囲に言う。噂を振りまく
・相手の人格、価値観を否定する

◆言動で相手を傷つけたり怖れを与える
・仕事は無関係な用事(昼食を買いに行かせるなど)ばかりを言いつける
・ゴミ箱や重たい書類などを投げつける
・壁やロッカーを叩いたり蹴飛ばしたりして大きな音で威嚇する
・拳を振り上げる
・怒鳴りつける
・目の前でドアをバタンと閉めたりわざとぶつかったりする
・聞こえるような声で当人の良くない噂話をする
・過去の失敗をいつまでも引き合いに出して「だからダメなんだ」とダメ出しをする
・「辞めた方がいい」「バカじゃないの!」「給料泥棒」などと罵る
・「〇〇大学出てるくせにできないの?」と仕事は無関係な学歴や経歴を引き合いに出しバカにする
・「上司のくせにこんなこと知らないんですか?」とバカにする

いかがでしょうか?
書いていると具合が悪くなってきます。

これを見て、何を考えましたか?
「なんか幼稚だなぁ」「陰湿・・・」
いろいろかと思います。

業務上、必要な指導の場合もありますが、それらの言動が業務を遂行する上で「正当性」「必要性」があるかどうかがキーになります。
そう考えると、コミュニケーション、プライド、直接的言動などによるものは、すべてレッドカードと言えますね。

こんな分かりやすいハラスメントをする人でも、実は「止めたくても止められない・・・」と悩んでいる人が大勢います。
最初は小さな一つの言動に過ぎなかったのが、相手の反応に勝手にイライラが募り、どんどんエスカレートしてしまって・・・
まるで何かの中毒のように、いけないとわかっているのに止められない。
ハラスメントは悪循環のループに陥ってしまっているのです。

例えば、
上司自身が会社からのプレッシャーで日々押し潰されそうな思いでいる。(ハイパフォーマーな中間管理職に多いですね)
前任と比べられて自分の存在価値を鼓舞するために間違ったほうへ行動してしまっている。(他人の評価が気になる人に多いです)
ずっと頑張ってきているのに、ある日突然、高学歴、過去に実績があるというだけで、自分より若い上司がやってきた。(地道にコツコツ頑張ってきたベテラン女性にありがちです)
プライベートで大きく満たされない何かがあり、職場がその捌け口になってしまっている。(どなたにもあり得ます)

ハラッサーの人を庇うつもりはありませんが、ハラスメント加害者である彼らも実は悩んでいるかもしれないということです。
しかし「パワハラをしている」自覚があるわけですから、そういう方達は、ほんの少しのコンサルテーションで改善へ向かうことができるでしょう。

いかがでしょうか?
職場のパワーハラスメント。
原因には現代社会に潜む根深い様々なものがありますが、現象としては子供のいじめと何ら変わりありません。
だから見逃してしまうのかもしれませんが、塵も積もれば山となる。気をつけなければなりません。

常日頃から自らを律すると共に、パワハラのない笑顔溢れる皆が働くことの喜びに溢れた職場づくりを行いたいものですね。

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