スポーツ界でのパワハラ問題が次々と表面化する昨今。
スポーツ界に限らず企業も含めて「古い体質」「昔の考え」から真剣に皆が脱皮しなければいけない時が来ているのだと思います。
そんな中、体操協会の専務理事が会見で答えた
「パワハラだと正式に訴えがあれば調査します」
の言葉に疑問を感じずにはいられません。
パワハラがあったと発言した選手は、単なるおしゃべりの場で「協会がね~、ホント、あれ、パワハラよね~」などと言ったのではなく、正式な記者会見の場で詳細に事実を述べ、パワハラを受けたと語っています。
にも拘わらず、「正式に訴えがあれば・・・」と答えるとは、なんとも悠長というか、危機感がないというか、それとも何かを隠蔽しようとしているのか、組織の自浄作用がないと考えざるをえません。
上司からパワハラを受けたと悩んでいる社員に対して
「ハラスメント委員会に正式に相談がないので、会社としては対処できない」
と企業のハラスメント窓口担当者が、その悩みを耳にしながら知らん顔しているのと同じです。
そんな会社、誰が働きたいと思う?
ハラスメント委員会って、何のためにあるの?
大体、そこに相談しに行くだけでも凄い勇気が必要なのに、情報としてキャッチしたのなら、それをもとに動くのが委員会の役割じゃないの?
そんな風に思います。
だから、お役所体質だとか、本当はやる気がないとか、形だけの実態がない窓口だとか、言われてしまうのです。
真剣に組織を良くしたいと思っているならば、直接窓口に相談がなくても、情報をキャッチしたならば事実確認すべきですし、窓口に相談してくれたなら、その事実がどうであれ、まずは「相談してくれてありがとう」ではないでしょうか。
「良い組織を作りたい」
「良い組織で働きたい(活動したい)」
という思いは、そこに関わる全ての人の共通の願いのはずです。
にもかかわらず、どこでどう間違えたのか、訳の分からない判断になってしまうのは、本当に残念で仕方がありません。
問題がない組織が良い組織なのではなく、
問題を問題としてきちんとして認識し、そこにしっかりと適切な対処を迅速に行っているのが良い組織です。
事実から目をそらさず、しっかりと前を向きたいものです。