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水平的成長と垂直的成長

人の成長には水平的成長と垂直的成長の2つがある。
と聞いて、ピン!とくる方は、「成人発達理論」をご存知の方かもしれません。

成人発達理論とは、「人の知性や能力は一生をかけて成長していく」という考えのもと、その発達段階を5段階(厳密には16段階)に分類して説いている理論です。
その中で、成長には「水平的成長」と「垂直的成長」があると言われているのですが、水平的成長とは知識やスキルの獲得のことで、これは子供の頃から一生懸命行ってきているし、社会人になっても日本企業では、ここにおいては特に力を入れていると思います。
一方、垂直的成長とは人の器の大きさや認識の枠組みの変化によって人間性が深まっていくことを指しており、人間力、EQなどと言い換えることができるのでしょうが、これにおいては残念ながら、日本では成長支援に力を入れている企業はまだまだ少なく、言葉では言われていても、その人の「器」の大きさや「認識」の広さが知識やスキルと比べた時に軽視されている傾向にあるようです。

よくよく考えればわかることですが、いくら新しい知識やスキルを身に着けたところで、それらを受容する器が小さかったり、認識が狭くては、知識やスキルをうまく活用することはできません。
つまり、水平的成長と垂直的成長の両方共が必要なのだという考えは、実にごもっともな考え方とだと思います。
垂直的成長には「器」と「認識」がありますが、残念ながら、人の器を大きくしようと頑張っても、そう簡単に大きな器の人間になれる訳ではありません。
もし、簡単になれるのであれば、私が何年もかかって変化の苦しみを味わうこともなかったでしょう。
この器の成長は時間がかかりますし、なかなか困難でもありますし、中長期的視点で取組むのが良いのでしょう。
かたや、「認識」の成長については、どうやら「今、できる」現実的なポテンシャル開発のようです。
認識の枠組みを広げる、認知レベルを上げるなど、表現の仕方は色々ありますが、これらはトレーニングによって開発が可能ですし、支援も行いやすい分野です。

この理論をもっと早く知っていれば、私ももう少し早く変われたかもしれません。
振り返ってみると、かつての私は認識の枠組みが狭かったと思うし、メタ認知と言われる認知レベルも低かったと思うからです。

垂直的成長。
まさに無限の可能性を秘めている人の成長のことですね。
語り始めるとどんどん長くなってしまうので今日はこの辺で。

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