マネジメント・リーダーシップ

何のための評価?

12月のボーナスを控え、メンバーの評価に追われているマネージャーさんも多いかと思います。
先日も、ご自身のスマホに「〇〇(ここにはメンバーの名前が入ります)評価」と書かれたポストイットを貼り付けたマネージャーさんと遭遇。
「ナニコレ?」と尋ねたところ、その日のお昼までに評価を送らなければならず、忘れないように貼ってあるとのことでした。

それはさておき、このマネージャーさんが言った一言が何とも引っかかっています。

「みんな、自分のメンバーを上に上げたくて、実際よりも盛ってるんですよね。」

「なんじゃそれ???」
と言ってしまった私です。
「それ、部署の問題? 会社の問題?」
と尋ねた私に間髪入れずに返ってきた答えは
「会社の問題!」
でした。
なんだかなぁ・・・ と言った感じです。

評価とは何のためにするんでしょう?
ボーナス支給のため?
昇進昇格の目安のため?
企業側に色々な理由はあるでしょうが、本来、評価とは、そのメンバーの成長のためにあるものですよね。
昇進昇格の目安やボーナス支給の目安はあくまでもその不随であって、決して譲れないのはメンバー育成がそもそものスタートということです。
それなのに盛ってどうする・・・・

憮然としてこう言った私に対して、このマネージャーさんが悲しそうに言いました。
「本当にね、人事も一体何を考えているんだか。
最初はそうではなかったんでしょうが、いつの間にか形骸化してしまって、挙句の果ては、自分のメンバーが上がった方がマネージャーとして評価されるという訳の分からないものになってしまっているんですよね・・・」

「人事に『物申す!』したら?」

「え???」

「だって、おかしいと思っているんでしょう? だったら、会社のことを思って、メンバーのことを思って、良いと思ったことを発信するのに何の躊躇があるの?」

ちなみにこのマネージャーさん。某大手企業にお勤めで若くしてマネージャーになった出世頭さんです。

暫く黙っていたマネージャーさんですが、ポツリと一言。
「そうですよね。明日、人事部長に言ってみます。」

驚いたのは私の方ですが、さすが!彼が若くしてマネージャーになった理由が分かったような気がしました。
少なくとも、彼は彼の上司が盛ったお蔭で昇進したのではなく、正真正銘、その実力と人柄でステップアップしたに違いありません。

評価の季節。
全ての評価者に今一度、「何のための評価」なのかを思い出していただきたい。
それは、半年後、1年後、3年後の成長を願って今を記すものであって、それ以外の理由は全てオマケなのです。
そう考えると、評価は面倒なものではなく、メンバー育成に携わる者としてとても重大なミッションだと改めて気が引き締まる思いです。

あなたのメンバーへの評価は将来の成長した姿を具体的にイメージしたものですか?
あなたのメンバーへの評価には成長を願う気持ちが込められていますか?

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