マネジメント・リーダーシップ

盾突くメンバーを歓迎する

若い頃から私は「生意気!」でした。
振り返ってみるとそれは子供時代からそうであり、中学や高校の担任の先生にも平気で生意気な口をきいていたし、新入社員でありながら直属ではない他課の課長に「おかしいと思います!」と言ってみたり、周囲がハラハラ気を揉むほどに向こう見ずでした。

入社半年ほど経った頃に、女性の先輩社員数人から「生意気だ!」と吊るし上げにあったことがありました。
今の時代であればとんでもない社会問題になっていたような出来事だったと思いますが、当時はそれもアリ。
顔では平気な素振りを見せても、さすがに凹んだことを覚えています。

そんな私に当時のリーダーがかけてくれた言葉があります。

「生意気結構! 何にも言わないで黙って従うだけのヤツの方がよっぽど怖い。腹の中で何考えてるかわからないし、そもそも何にも考えていないかもしれない。考えはあるけどただのイエスマンに成り下がっているのかもしれない。生意気な口きくヤツは、裏を返せば『自分』を持っているということ。だから、俺はお前の生意気を何とも思わない。むしろ歓迎だ。けど、口のきき方だけは気をつけるように。」

本当に懐の深い、温かなリーダーでした。
最後の「口のきき方だけは気をつけろよ」は耳の痛い注意でしたが、自分の意見を述べることを咎めるどころか、もっとドンドンと発信するようにと背中を押してくれたのです。
その後、私の生意気度具合がエスカレートしたか、逆にトーンダウンしたかは別として、自分の考えを言う時にはより責任を感じながら発信するようになったことは確かです。

「生意気!」なメンバーは扱いづらいことこの上なしです。
ここでそれを言う?
何で場をかき回すの?
私になんか恨みでもある?
そんな風に思うこともあります。
けれども、私のリーダーがかつて言ってくれたように、自分の意見を発信するということは、それだけ自分を持っているということです。
何にも考えていなかったり口先だけのイエスマンとは全然違います。
そう考えると、盾突く生意気君は、チームに風穴を開けてくれる大切な存在だとも言えるでしょう。

生意気君は確かに面倒です。
けれどもイエスマンだけではチームは沈滞してしまいます。
盾突くメンバー大歓迎!
リーダーとして、マネージャーとして、そんな広い度量を持つことができる人間でありたいと思っています。

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