一緒に働いていた仲間が転職するというのは寂しいものです。それでも前向きな理由での転職の場合、「頑張れ~!」と心から応援したくなります。
一方、転職理由が自分自身や組織に対してのネガティブ感情だったりすると、「裏切者」「お前なんかさっさと辞めてしまえ」と逆恨みに近い感情を抱いたりする人がいます。辞めていった人のことがその後の組織で悪く言われ、「辞めてくれて助かった」などと語られたりします。
特にリーダーがこれをすると、チームのメンバーはこう思います。
「リーダーが〇〇さんを育成できなかったのを棚に上げて悪く言うなんて・・・」
「自分も辞めた後は、きっと、色々な事を言われるんだろうな~」
去ったメンバーを悪く言うリーダーに同情する人は、あまりいないのではないでしょうか。
これは転職に限らず、組織内異動でも同じことが言えると思います。どのような理由であっても、チームを去った仲間のことを本人がいなくなった後に悪く言うのは避けたいものです。
一昔前は、一度就職したら生涯、その企業で勤め上げるというのが一般的な考え方でした。しかし、今の時代、転職は普通のこと。その理由は様々ですが、ポジティブであれネガティブであれ、一度は縁あり共に同じゴールを目指した仲間がその後、どんな成長をし、どんな活躍をするのか、温かく見守りたいと思っています。
自分と一緒に働いていた時に成果を上げていた仲間がさらに大きく成長している場合には、その成長にほんの少しでも自分は貢献できているかな、と密かに喜びます。
自分と一緒に働いていた時、必ずしも関係性が良かったとは言えないメンバーが今、更に飛躍している場合は、私というストレスがなくなった分、もっと大きく羽ばたけるようになったのかな、と彼or彼女の良かったところを思い出したりします。
自分と一緒に働いていた時、残念なパフォーマンスだったメンバーが見違えるようになっていた時、彼or彼女の力を引き出してあげることができなかった自分の未熟さを振り返り、今の成功を素直に喜びます。
例え、別れ際に暴言を吐かれて別れてしまったメンバーであっても、彼or彼女に対するマネジメントの失敗経験が今の私を形成していることに感謝し、彼らの成功を称え喜びます。
私自身がメンバーだった時代、決して褒められたメンバーではなかったと思います。どちらかというと扱いづらい、生意気なヤツでした。上司を小ばかにしたような言動もしていたと思います。振り返ると、穴があったら入りたい、何十回謝っても足りないくらいに恥ずかしい未熟な私でした。
それでもインフィニティ設立をご連絡した際、両手を上げて喜んでくれた元上司・元同僚の心の広さ、温かさを心から嬉しく思うと同時に、自分もそんな人でありたいと思いました。
他人の成功を素直に喜べる。まして、共にゴールを目指したかつての仲間の成功を心から称え喜ぶことができる。
そんなリーダーだからこそ、今いるメンバーも安心して力を発揮することができるのではないでしょうか。