組織開発

チームを健全に保つために

大企業トップの不正問題。
繰り返された業界リーディングカンパニー社員のコンプライアンス違反。
大手芸能プロダクション所属芸能人の不適切な行動。

同様のことが別の人によって繰り返される会社もあれば、他社と同じトラブルを自社で招いている会社もあります。
一部報道や特集番組を見ていると、
「トップの資質の問題」「最終的には社員個人の倫理観に訴えるしかない」
などのコメントも聞かれます。

本当にそうでしょうか。
確かに個々人の資質の問題は大きいと思います。
しかし、組織が大きくなればなるほど、全員に聖人君子を求めるのは難しいように思います。
また、一人ひとりの個人には全く問題がなく、各人は「良い人」であっても、「集団(組織)」になった途端、様相は一変し、別人と化してしまうかもしれません。

では、組織を健全に保つにはどうすれば良いのか。
それはごくシンプルなことですが、組織を構成する個人の体質改善とその保持。
そして集団(組織)そのものの体質改善とその保持。
この二つを地道に常に行うことです。

そんなことやっているよ。
年に2回の社員研修もやっている。
前回問題が起こった時には徹底的に研修を行った。

そんな声が聞こえてきます。
しかしそれではダメなんです。
常に、つまり、ずっと行い続けるのです。
そこに終わりはありません。

メタボ体質に陥ってしまった身体は、食事指導で体質改善されたように見えても、ちょっと油断すればすぐ元に戻ってしまいます。
折角ダイエットしてもリバウンドを繰り返すのはその良い例です。
「健全な状態をキープし続ける」ことの方が、デトックスるするよりもはるかに難しいからです。
汚れた部屋を綺麗に片付けて掃除しても、すぐ元に戻ってしまう人が多いのと同じですね。
どんなに澄んだ清水も時と共に淀み濁ってきます。
綺麗なままで、健全なままでい続けるのはとても難しい。
常にチェックを怠らず、片付けたり浄化をしたり、時には断食や断捨離、洪水をおこして荒療治をすることも必要なのです。

個人も集団(組織)もリバウンドしない健全な状態をキープし続けるための唯一の方法。
それは、「毎日コツコツ」「毎日チェック」です。
人間は弱い生き物ですから誘惑には弱いですし、これくらいならいいかなという甘えが生じます。
一人ひとりはクリーンでも、それが集団(組織)になった途端、集団浅慮(グループシンク)が働いてしまい、「赤信号、みんなで渡れば怖くない!」状態に陥ることだってあるのです。

(集団浅慮とは、1972年に社会心理学者のアーヴィング・ジャニスが提唱した概念であり、「集団で決めた事柄が大きな過ちにつながる」「一人で考えれば当然気づいたことが、集団で考えることによって見落とされる」現象を言います。by educate.co.jp)

古くは戦時中の日本軍やチャレンジャー号の悲劇を引き押してしまったNASAも陥りました。
大企業の破綻や不祥事も、たどってみれば経営陣やその問題を引き起こした人たちの間には集団浅慮が起こっていたことが多くあります。

個人にだけ求めてもダメ出し集団にだけ求めてもダメ。
個人と集団の両方を毎日コツコツ、毎日チェックが必要なのです。

あなたのチームは大丈夫ですか?
澄んでいるつもりで淀んでいませんか?
毎日コツコツ、毎日チェックを怠っていませんか?
集団浅慮に陥っていませんか?

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