マネジメント・リーダーシップ

ミスの報告を怒らないマネージャー

「Kさん すみません。こんな時間に・・・」
夜10時を過ぎたころ、Kマネージャーの携帯にSさんから電話がかかってきました。
「僕、〇〇の件でお客様へ間違った契約書を送ってしまったようで、今、気が付いたんですけど・・・。本当にすみません。」

Sさんの「ミスの報告」に、Kさんは「わかった。明日の朝一番で、お客様のところへ謝罪に行くので、△△と◆◆の準備をそれまでにしておいて。僕は××を準備しておくので。」と「普通に」答えました。

遅い時間でも気がついてすぐKさんに報告して良かったと胸を撫でおろしたSさん。
Sさんは自分のミスの報告に対してKさんは怒らないことを知っていたのです。

Kさんは厳しい事では有名なマネージャーです。
挨拶はきちんとしろ。
机の上が汚くって良い仕事ができるか。
報連相は言われる前に。
健康管理も仕事のうち。
本当にうるさいなぁ、細かいなぁ、とちょっぴりうんざりすることもままあります。
しかし、Kさんは日々の行動への注意や叱責はするものの、起きてしまった結果に対する叱責をしているのをSさんは見たことがありません。

行動は変えられるけど結果は変えられない。
起こってしまったことを責めても何の生産性もない。
だから良い結果を生むために、毎日の行動はうるさく言うぞ~

これがKさんの口癖です。
ですからミスの報告をしたとしても、ミスの処理が終わった後は、その後の行動について考えさせられたりチェックを受けたりすることはあっても、ミスをした事実そのものを責められることは決してないのです。

ですからSさんを含めて、Kさんは細かいなぁ、口うるさいなぁ、と思っているメンバーはいても、誰一人としてミスを隠したり、上手くいっていない事実を隠蔽したりということはないのです。
お客様への謝罪訪問を終えた後、SさんがKさんから「机の上、もっと整理整頓しろ!あれじゃぁ、ミスも起きる!」」と注意を受けたのは、Sさんも自業自得と素直に受け止めたのでした。

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