絶対にうまくいかない、100%失敗する
人材育成・組織開発の考え方が2つあります。
絶対にうまくいかない。
うまくいっているように見えても
100%失敗します。
その1つ目は、成功体験に基づいて今を考えることです。
彼等にあのやり方で上手くいったからコレでいく。
このやり方で関わった組織はうまくいったから今回も自信がある。
この考え方を持っている育成者、組織開発支援者は絶対にうまくいきません。
なぜなら、成功体験のそれと、今向き合っている人・組織は全くの別物だからです。
似ていても別物です。
人であれば生い立ちから今迄のその人のヒストリー、その人を形作っている考え、
大切にしている価値観や感情の起伏のあり方、目指すゴール、
そして今置かれている環境と社会。
似ていても別です。
同様に、組織も生命体ですから、どんなに似ていても全くの別な生き物です。
成功体験を参考にすることは良い事ですが、
「アレでいく」と決めた時点で100%失敗に向かいます。
その人や組織をよく知り、深く感じ、
その上で処方箋を考え、必要によってその処方箋を途中で見直すなど、
柔軟な思考を持っての取組みなしには絶対にうまくいかないのです。
小学校から中学卒業まで常にオール5。
常に学級委員を務め、生徒会長に推されてなり、
文武両道、学校の模範生たる姉を持つ私に、母が言った
「同じように育てたのに、どうしてお姉ちゃんと違うんだろうね」
の言葉が、その全てを物語っています。
同じように育てたからダメだったのよ。お母さま。
そういう意味では、
人材育成も組織開発も、どんなにベテランのサポーターであろうと
手探り感から始めるのが最善です。
よく見て、よく聞いて、よく知り、よく感じる。
柔軟な思考と粘り強さを持って、
間違っても外的コントロール感満載に行うものではありません。
(外的コントロールの説明については、こちらのサイトをお勧めします。)
というわけで、
2つ目は外的コントロールが思考のベースにある事です。
ほんの10年ほど前は、
「お前らは最低だ!」
「お前らは一流どころか三流でもない。五流だ!」
と参加者を罵倒して屈辱感を味わうことで這い上がることをしかけたり、
新入社員研修では最初に全員を叩き潰して、そこから上を目指させるという
考えただけで鳥肌ものの研修が、外部研修会社の名物講師のもとで
たくさん行われていました。(今もまだあるみたいですが・・・)
人は、外的コントロールでは本質的に変化はしません。
内的コントロールの支援は時間はかかっても確実なのに、
安易な外的コントロールに走って、即効性の高い目先の結果を追ってしまう。
それだけは絶対に避けたい考え方です。
100%失敗する人材育成・組織開発 2つの考え方
① 成功体験に基づいて今を考える
② 外的コントロールが思考のベースにある
人も組織も変化・進化に時間がかかることを忘れてはいけません。
そこに腹をくくる事が真にできたなら、
危険な2つの考え方を手放すことも難しくはないと考えます。