「可愛い子には旅をさせる」ではありませんが、
メンバーの成長を望む時、できるだけ多くの経験を積んでほしいと、
それに適した場面やチャレンジできる舞台を用意するなど、
「経験の場」を積極的に与えようと考えるものです。
ところが、たくさん経験しているのに成長が思ったほどではない。
成長が止まっているように感じる。
それはもしかしたら、
あなたは経験を積ませているつもりでも、
メンバーは経験をしておらず、体験しかしていないのかもしれません。
体験とは、見たり聞いたり触れたり感じたり、行動することです。
「行動」そのものを意味します。
経験とは、見たり聞いたり行動したことを踏まえて得た知識やスキルのことです。
つまり、体験を踏まえて身についた事です。
ではどうすれば「身につく」のでしょうか。
上司として、メンバーが単なる体験ではなく経験に昇華できるよう
何ができるでしょうか。
その最も効果的な手段は「対話」です。
(議論でも指導レクチャーでもなく、「対話(※)」です)
体験を一人頭の中だけのものとするのではなく、
「何をした」「何を感じた」「あなたなら何をする」「何に活かせそうか」など、
否定も肯定もせず、対話を通じて自身の体験をどんどん言語化してもらい、
そこから生まれる気づきや学びに、メンバーが「!」となった時、
初めて、単なる体験が経験になるのです。
あなたは経験させているつもりでも、
ただ場を用意しただけで、メンバーは体験しかしていないのかもしれません。
経験は、上司や仲間等(環境)との対話(相互作用)によって生まれます。
多くの体験があるにもかかわらずメンバーの成長が滞っているなら、
それは、ただ場を与えただけで、
最も重要な対話の時間を整えていないからかもしれません。
メンバーの体験が経験に昇華し、
さらに経験が智慧に昇華するサポートをすべく、
上司は日々、メンバーとの対話の時間を大切にしなければいけません。
関連ブログ(※) 『対話の力』 『事例紹介:ガチンコ対話』