ついつい言ってしまいがちな「なぜなぜ質問」ですが、
場面や頻度の多さはメンバーの萎縮や言い訳を生み
マネージャーとしてはできるだけ避けたい質問の仕方であり、
不必要な「なぜ」です。
(関連ブログ 『なぜなぜ質問は言い訳をつくる』 )
一方、マネージャーに必要な「なぜ」もあります。
それは、
メンバーが「なぜ」その行動をしたのか、その考えを知ることです。
メンバーが何らかの行動を取って、それが好ましくない結果の時、
「そうじゃないよ!」「何やってんだ!」では、
そこに学習は全く発生しません。
結果を批判したり非難するのではなく、
メンバーがどのように考えて行動したのか、すなわち「なぜ」を知り、
考え方は正しいけど行動が不適切だったのか、
考え方も行動も正しかったけど、たまたま上手くいかなかっただけなのか、
もしくは考え方そのものが違っていたのか、
そこを知らずして改善することはできません。
また、良い結果だった時、
「良かった!」「Good job!」で終わってしまってもダメです。
同様に、どんな風に考えてその行動を取ったのかの「なぜ」を確認します。
そうすれば、それがたまたま偶然の結果なのか、
上手くいくようしっかり考えられた行動なのかが分かります。
それが分かれば再現性も生まれ、次の成功に繋がります。
私達は物事の表面だけに囚われて一喜一憂してしまい、
「なぜ」を考えることを怠りがちです。
小さな子供がいたずらをしてしまったのはなぜか?
単純に興味本位なのか、母親の関心を惹きたかったのか、
お友達が妬ましかったのか・・・
近所の一人暮らしのおばあちゃんが、いつもゴミ出しがだらしないのはなぜか?
分別ルールを理解していないのか、単に面倒くさがりなのか、
本当は寂しくて誰かにかまってほしいのか・・・
「なぜ」を考えることで行動の根拠が分かり、
その後の対応を、より良いものに選択することが可能です。
良い結果を生んだ時も、そうでなかった時も、
結果だけを見るのではなく、
「なぜ」を考えることを忘れてはいけません。
但し、気をつけたいのは、
「なぜその行動した?」と、なぜなぜ質問にならないことです。
「どんなふうに考えた?」
「何があなたの背中を押した?」
「何があなたの邪魔をした?」
等、メンバーがなぜその行動をしたかの考えを知るための質問は
できるだけ「なぜ」を使わないようにしましょう。
「なぜなぜ質問」はメンバーの言い訳を生むだけでなく、
「うまくいっても詰められる」と
ネガティブ感情に繋がる可能性があるからです。
マネージャーには、必要な「なぜ」と不必要な「なぜ」があります。
必要なのは、メンバーの考えを知ろうとする「なぜ」であり、
不必要なのは「なぜ」と言葉にして質問することです。
2つの「なぜ」をしっかり使い分けたいものですね。