戦略人事

視座が勝手に上がる最も効果的な方法

手前味噌ではありますが、私は20代前半の頃から上司は勿論、
お客様から「視座が高い」とお墨付きをいただいていました。
特に努力をしたのではなく、勝手にそうなっていました。

法人営業をしていた私のお客様は、大卒1年目の新入社員の時から、
中小企業の社長さんや大企業の部長さんが殆どでした。
チームで最も歳が近い先輩は一回り年上で、既に管理職一歩手前でした。

普段から自分より年齢も立場も上の人たちと接しており、
ただ話をするだけでなく、
その人たちの考え方やその時々の課題を
わからないながらも聴く時間がとても多かったと思います。

いつの頃からか、経営者のものの考え方、上司としての考えや悩みは、
経験していなくても頭ではわかるようになっていました。
30代前半の頃には、上場企業や有名企業のトップの方たちと、
直接取引には関係ないけれど、ビジネスに関係する雑談が
自然とできるようになっていました。

自ら必死で努力をしたわけではなく、
置かれた環境が自分よりはるかに視座が高い人たちとの場面が主であり、
そこで日常を過ごしていることで、
勝手に私の視座が上がっていったのでしょう。

1階の窓から景色を見ているけれど、
2階の窓から見てみると、景色の見え方が全く違う。
1階から見た景色以外にもいろいろなモノが見えてくる。
この、1階から2階に上がることが、視座が上がるということです。

実際に2階に上がってみないと見えないのだから、
ポジションが上がらないと視座が上がらないのでは。
と考えるかもしれませんが、そうとは限りません。
2階から見える景色を2階にいる人が丁寧に説明することで、
1階に居ながら、2階から見える景色が想像できるようになります。
まだ1階だけど、5階、6階、屋上からの景色をいつも聞かされていた私が
上層階からの景色が上がらずともわかっていたのはそういうわけです。

自分の視座を上げたいと思うなら、
既にそこにいる人たちから、できるだけ多くの話を聴くことです。
考え方、スタンス、ぶち当たっている課題など何でも構いません。
聴くことで、自分の視座との違いを自然と知り、
何度も何度もその環境に身を置くことで、視座は上がっていきます。

社員の視座が低い、メンバーの視座がなかなか上がらない。
もしそうであれば、それは上司や経営者の責任です。
視座が上がらないのは、上司や経営者との必要な会話が圧倒的に少ないからです。
単に指示命令するだけではなく、
結論に至った背景、二者択一に迫られた時どうするか、
倫理観、課題意識など、どんどん話をすることで
社員やメンバーの視座は自然と上がっていくのです。

私が新卒で入った会社では、
チームMTGで支店のPLを使って営業会議を行っていました。
そのため、入社1年目の夏には皆、普通にPLを読むことができていました。
支店のPLが分かれば、営業本部、全社のPLも読むことはでき、
会社の状態が分かります。
20代半ば過ぎには、営業本部から降りてくる施策や必達目標の決定背景なども
推察できるようになっていました。
置かれた環境が、そういうことが分かり考えられる状態に
自然と私を導いてくれたのだと思います。

視座は何もしなければ勝手に上がりません。

しかし、適切に環境を整えることで、
視座は放っておいても勝手に上がっていくのです。



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