経営者やマネージャーが人として特別優れているわけではありません。
同様に、監督やコーチが人として優れているわけではありません。
ある技術や能力においては秀でた部分があるというだけで、または、特段優れたそれらがあるわけでもなく役割を担っているというだけで、それはあくまでも人としての優劣ではありません。
しかし、ポジションが上になればなるほど、担う責任が大きくなり権限や権力を持てば持つほど、どこかの時点で人は大きな勘違いをしてしまいます。
この目標数字を達成するためには。
業界No.1の地位を守るためには。
チームが優勝するためには。
連覇を果たすためには。
その「大義」の前に、いつの間にか人の仮面を被った野獣と化してしまい、周囲を苦しめ傷つけてしまっても全くそれに気づくことなく、いえ、気づいたとしても自分の中でそれを正当化してしまい、邪魔するものには牙を向くことさえあるのです。
企業であれ、組織(政治、スポーツ、学校など全て)であれ、「人として守らなければいけないもの」以上にこの世の中に大切なものがあるのだでしょうか?
業績が赤字だと会社が存続できないから?
勝たないとチームが成り立たないから?
だから多少の犠牲は致し方ないのでしょうか?「人」はどうでも良いのでしょうか?
今こそ全ての指導者、上のポジションに立つ人達は、自らの襟を正し、「人としてのあり方」を今一度考えるべきです。
(もしかしたら、そんなことさえ考えたことがないという常勝リーダーがいるかもしれない・・・)
大きな責任と共に強大な権限や権力を持つ人は、それにふさわしい人間力を身につけていなければなりません。
強大な権限や権力は銃と同じ。いやはや、核のボタンと同じです。
その人次第で、周囲はどうにでもなってしまう。
だからこそ、銃を持ち、核のボタンを持つのに相応しい人としての品格、人格、理性、知性などの「人間力」が必要なのです。
どんなに仕事ができても、選手として有能であっても、敏腕と言われる結果を残していても、「人間力」が共わない人が率いるチームに明るい未来はありません。
恐怖で操り支配するリーダーは、周囲からの尊敬や信頼を得ることはできず、遅かれ早かれ崩壊していくのです。