禅語から学ぶリーダーのあり方

「且座喫茶」余裕があるから強くなれる

且座喫茶(しゃざきっさ)とは、「まあ、ゆっくり座ってお茶でも飲みなさい」という意味。
修業中のお坊さんが早く悟りを得んと肩に力が入ってしまっている時、その師に当たられるお坊様が「且座喫茶 お茶でも飲んで力を抜きなさい」と弟子に言ったとか。
「喫茶去(きっさこ)」と同様の意味のようです。

会議で意見が出ずに煮詰まっている時
逆に紛糾してしまって収集がつかない時
トラブルに見舞われてなす術がわからず途方に暮れている時
怒りでカッカとしてしまい冷静さを失っている時

「コーヒー飲まない?」「お茶にしようよ」
そう私が声をかけると二通りの返事が返ってきます。
「のん気にコーヒーとか飲んでる場合じゃないですよ!」
と私を責めるようもの。
もうひとつは
「そうですね・・・」
と我に返って冷静さを何とか取り戻すべく努力しようとしているもの。

切羽詰まっている時ほど冷静になる時間を持ちたいものです。
のん気にお茶ではなく、パフォーマンスを高めるためにお茶なのです。

若い頃は営業途中に先輩とよくお茶をしたものです。
先輩が「お茶でもしていく?」と声をかけてくれるのですが、それはサボる、のどの渇きを潤す、休憩する、というよりも、新人の私の悩みや困りごとを聞いてくれたり、私自身に自覚が無くても焦っていたり余裕がなさそうに見えた時、その緊張の糸を緩めようと先輩がわざわざ時間を作っていてくれていたのだと今では理解ができます。

昔と比べて今はビジネスのスピードが数倍も早い時代です。
それこそ「のんびりお茶なんか飲んでる場合じゃありません!」と言われそうだし、コーヒーを飲みながらも端末を横目でチラチラなんてことが当たり前かもしれません。

しかし張り詰めた糸はすぐに切れます。
余裕があるからこそしなりも生まれ、強さになるのです。
だから、且座喫茶。
どんな時にも心に余裕を失わないよう、心がけていたいものです。

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