北九州市立大学のリカレント教育 enPIT-everi の
お手伝いをしている講座にご参加のAさんは某大手企業にお勤めですが、
自社の将来をとても真剣に考えていらっしゃいます。
そんなAさんの熱意にとても心動かされたので、
Aさんと、Aさんのお仲間2人の計3人で、
Zoom飲み会と称してAさんの「会社の将来を考える」
オンラインセッションのお手伝いをさせていただきました。
このままだと立ち行かなくなる。
でも、まだしばらくは大丈夫。
自分はまずいと思うけど、上は大丈夫だという。
業界でみんな合併してしまえば安泰かも。
いや、業界そのものがなくなる可能性だってあるんじゃない?
そう、20年後は業界そのものが風前の灯になっているかもしれない。
「初めまして」からスタートして、
たった1時間の飲み会セッションでしたが、
なかなか有意義な時間でした。
トヨタは「車がなかったら」
ヤマトは「宅急便がなかったら」
リコーは「コピー機がなかったら」
などと、皆、
「今の主力・自社の代名詞ともいえる製品・サービスがなくなった時、どうするか」
を考えたんですよ。
そんな事例をご紹介した時、
「どうしてそういう発想になったんですか?」
と質問を頂きました。
ナイス!クエスチョン!
どの会社も、イノベーションの芽は現場で起きているのです。
経営層が頭で考えて成しているものばかりではありません。
富士フイルムとコダックが明暗を分けた話はあまりにも有名ですが、
「写ルンです」のポケットカメラが発売され、
瞬く間にヒット商品となった時、
自らの手で自社の主力製品である感光フイルムを衰退させるモノを作ってしまった、
このままではマズイ!
自社の売り上げの8割を占めるフイルム事業が衰退してしまう・・・
と、一番最初に危機感を抱いたのは、現場の社員だったそうです。
そしてそれは何も、富士フイルムに限ったことではないのです。
現場の社員が市場の動向に最も敏感で、
「これはイケル」「これはマズイ」などの肌感覚が研ぎ澄まされていますが、
そこから先が明暗を分ける大切なコトで、
そのメンバーからの「危機感」具申を
上司や経営が聞く耳を持つのか、スルーしてしまうかが
最終的に変革へ進むか、乗り遅れてしまうかの違いになってしまうようです。
「会社は経営が変えるんじゃなくて、現場の人たちが変えるんですよ。
だって、世間の風を一番感じているのは現場の人たちですから。」
私の言葉に、3人の表情が引き締まったように見えました。
GWのお休み期間中に、誰から言われたわけでもないのに
自社の将来について真剣に考え話し合う人たち。
なんて素敵なんでしょう!
きっと、会社が好き、今の仕事が誇りなのですね。
こんな人たちがいる会社なら、絶対に大丈夫!
と思わずにはいられません。
会社を変えるのは社長でも役員でも株主でもありません。
現場の最前線にいるあなた! です。