毎週火曜と金曜は燃えるごみの収集日です。
朝のお散歩の途中で、青いカラス除けネットの下に積まれたゴミの山をあちこちで沢山見かけました。これらの山もお昼過ぎにはすっかり片付けられ、なかったことになります。
ふと、「松樹千年翠」(しょうじゅせんねんのみどり)の禅語が頭をかすめました。
松は千年経とうとも変わらずに翠であるという、変わらないことの大切さを説いた言葉です。
松は、荒地や高山、岩山でも育つ事が出来ます。目立つ華やかさは決してありませんが、忍耐強さや逞しさ、自らを主張しない謙虚さが松にはあります。四季折々、色とりどりの花が咲き代わり、葉も色を変え落ちていく中で、松は一年を通して緑色のままでいます。美しい花を咲かせたり紅や黄色に色づく紅葉のような華やかさはありませんが、炎天下の真夏の太陽の下でも、寒さ厳しい真冬の空の下でも変わらずに緑色を保ちながら凛とした姿で立っています。
当たり前のように思っている行政のゴミ収集サービスも、これがなくなった途端に私たちの生活は一変してしまうと思うと、心からの感謝をせずにはいられません。
社会においても会社組織においても、表舞台で華やかな活躍をしている人だけでなく、変わらずに黙々と自らの役割を果たしている人達に私たちは支えられています。そして、実は、そういう人たちの力こそがとても大きいのだと思うのです。
華やかな桜や牡丹、色とりどりの草花や木々にのみ目を奪われるのではなく、いつの日も変わらずにしっかりと地に足をつけて支えてくれている人たちこそ大切にしなければと思うのでした。