マネジメント・リーダーシップ

発達障害のメンバーちゃん

かつて、私には発達障害のメンバーちゃんがいました。ADHDちゃんも、アスペルガーちゃんも、混合タイプちゃんもいました。おまけに、適応障害ちゃんやパニック障害ちゃんも。かなり濃かったです。

EAP(Employee Assistance Program) を勉強したこともあり、多少の知識はあったものの、ADHDちゃんやアスペルガーちゃんだと気づくまでには時間がかかりました。

何回言っても人の話を聞いていない。

ちょっとしたことでパニックになる。

遅刻や忘れ物の頻度やそのあり様がビックリレベル。

自分が興味のあることしかやらない。

お客様に一方的に自分の考えを主張する。

お客様を不快にしてしまう言動に気がつかない。

 

そうだと気づかなかった時の私はストレスマックス。ちゃんとマネジメントしなければと思えば思うほど口調は強くなるし、お客様からのお叱りがどんどんひどくなるため監視状態になるし、イライラして他のメンバーにまで強く当たってしまうで散々でした。

ほとほと疲れて友人にポロリとこぼした時、「もしかしてその子・・・」と友人が言いました。彼女は臨床心理士であり精神保健福祉士でもあり、企業勤めでありながら以前は病院勤務の経験もあるため、私よりもはるかに専門知識が豊富なのです。

そうだと思うと、彼、彼女たちのこれまでの行動にすべて合点がいきます。そして、私がしていたことは全て逆効果になっていただろうことも。

 

友人からのたった一つのアドバイスは、一人で抱え込まないこと。専門家にリファーすることでした。リファーとはカウンセリング用語で、自分よりも適切だと思える人にクライアントを紹介することです。

そう。マネージャーが自分で何とかしようとするのではなく、マネージャーがしなければいけないことは「気づく」こと。気づいたら、専門家につなぐこと。この2つなのです。

 

「気づいているんですが、どうやって専門家へつなぐのですか?どう話したらいいのか分からないんですけど・・・」

先日、研修中にマネージャーさんからこんな相談を頂きました。

「君、どうもおかしいからクリニック行ってきて。」こんな事をストレートに言おうものならそれこそ大問題になってしまいます。

ポイントは、彼、彼女の「問題行動(本人が問題と思っているかどうは別として)」が仕事に支障をきたしているという「客観的事実」を本人にしっかりと認識してもらうところから始まります。

そこから先の具体的話のもって行き方についてはまた明日。

 

ちなみに、私の大切なADHDちゃんもアスペルガーちゃんも、本人納得の上で専門家の診察を受けました。その結果、本人達も私も、互いにより良く仕事を進めていくための対応策を一緒に考えることができるようになりました。

最初、その事実を受け入れるには、私自身もほんの少しだけ苦労をしました。しかし、現実をしっかりと認識し受け入れるところから全ては始まるのです。避けては通れない道ならば、メンバーちゃんと一緒に受け止めてあげる。そんなコトも必要なのかもしれません。

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