「業界の常識だから」と思考停止にならないために
「うちの業界では、これが当たり前です。」
こんなセリフを聞いたことはありませんか?
もしくは、自分自身が口にしたことは?
私が企業の戦略人事を支援している中で、よく耳にするのがこの言葉です。
でも、それを言った瞬間に思考が止まってしまうんですよね。
業界の常識が、世間の常識とズレていたらどうなるか?
企業は市場に受け入れられず、やがて淘汰されてしまうでしょう。
それに気づいたとき、変化を起こすための一歩を踏み出すことが大切です。
上司と部下の会話:気づきの瞬間
部下:「課長、なんでこのやり方なんですか?
他社では違う方法を取っているようですが…。」
課長:「いや、うちの業界ではこれが普通だからな。」
「……そういえば、転職してきた社員も同じようなことを言っていたな。」
「もしかすると、見直してみる必要があるかもしれないな。」
業界の常識を疑うのは、新しい風を入れる第一歩。
違和感を覚えた部下の声を無視しないことが、組織を強くする鍵です。
業界の「常識」とは、本当に正しいのか?
「尾藤さんはうちの業界を知らないから。」
これも、私がよく言われる言葉です。
しかし、私は「業界を知らない」からこそ、客観的に見て気づくことがあるのです。
例えば、こんな業界の常識がありました。
- 長時間労働が美徳 → 他業界ではワークライフバランスが当たり前
- トップダウンで決めるのが普通 → 世界ではボトムアップの文化が主流
- 「報・連・相」が徹底されていない → それが原因でリスク管理が甘くなる
どれも、外の世界を知れば「改善できる」と気づけるポイントです。
変化は小さな一歩から始まる
「うちの業界は特殊だから」と言って変化を拒むと、成長のチャンスを逃します。
企業の歴史を見ても、変革に成功した会社は、
最初は小さな一歩から始めています。
例えば、
- 社員の声をもっと聞く
→ 転職者や新入社員が気づいた「違和感」を大切にする - 世間のベストプラクティスを取り入れる
→ 業界の枠を超えて、優れた経営手法を学ぶ - まずはチームで試してみる
→ いきなり全社で変えなくても、小さな改善から始める
変化を恐れず、一歩を踏み出せるかどうか。
業界の常識を疑い、新たな視点で考えることが、企業を強くする秘訣です。
業界の常識に縛られず、会社を成長させる方法
「あの業界は特殊だよね」ではなく、
「自分たちは大丈夫かな?」と、常にベクトルを自分たちに向けましょう。
業界の常識を疑うことが、変革の第一歩。
まずは、あなたの会社の「当たり前」を一つ挙げてみてください。
そして、それが本当に世間の常識と一致しているのか、一度考えてみましょう。
そこから、新しい可能性が見えてくるはずです。