マネジメント・リーダーシップ組織開発

感動のリレーコーチング

マネージャー研修では、徹底的に「モノの見方・考え方」「自分自身のあり方」をバージョンアップしていただいた後、持っていた方が良いスキルの一つして、コーチングスキルをお伝えしています。

とは言っても、いわゆるコーチングを学ぶのではなく、コーチングの考え方、コーチのスタンスを学ぶと言ったほうが近いかもしれません。しかも、超特急のスピードで。

目的は、あくまでもマネージャーの内面のバージョンアップを目的としたプログラムですので、本格的にコーチングを学びたい方は、別のプログラムをご用意するとして、ここではほんのさわりの部分、ベースとなる「スタンス」を重点的に行います。

4カ月の実践期間を得て、フォローアップ研修の日。4か月間の変化をお互いに確認し合うべく、「リレーコーチング」を実施しました。

参加者の一人から実際に「今、自分の課題だと感じている事」を提示してもらい、その提示者をメンバー役に見立て、それ以外の参加者でリレー形式でコーチングを行っていきます。

 

これまで、何度もこのプログラムを実施しているのですが、昨日は、オブザーブいただいた人材開発部の部長さんから「とても良かった。感動して涙が出そうになった。」とコメントを頂きました。

見ていた私も、グッと胸に迫るものがありました。彼らは絶対に大丈夫。確信にも似た感覚を覚えました。

 

一体、何が感動的だったのか。なぜ、大丈夫だと思ったのか。

「コーチングのコーチ」という観点から見れば、ハッキリ言って、まだまだ全然です。しかし、社内においてコーチを養成することを目的としていないので、部長さんも私も、そのことについては全く気にしてません。

では何が良かったのか。それは、最後に感想を言ってくれたメンバー役のTさんの言葉に集約されています。

 

「正直、最初は軽い気持ちで手を挙げて課題提示しました。でも、みんな、僕の目をちゃんと見てくれて、僕の立ち位置、同じレベルで考えてくれて。他人にはどう見えるかという客観的事実(第三者の感想ではないところが重要)を伝えてくれて。「え?それ聞く?」という質問で視野を広げることもできました。でもやっぱり、親身になって一生懸命話を聞いてくれた。こんなことまで言うつもりはなかったけど、そこまで深く考えていたわけではなかったけど、話しているうちに、どんどんと自分も真剣に考えるようになって。こんなに一生懸命考えて、すごく疲れたけど、でも良かった。僕だけ得したような気持ちです。ありがとうございました!」

 

包み隠さずすべてを話してくれたメンバー役のTさんと、11人のコーチ達に、心からの喝采を送りました。

 

彼らはチーム作りにおいて、一番大切なコトを学んだはずです。

それは、知識でもスキルでもなく、最も大切なことは「相手の立場に立って真剣に寄り添う」こと。

最後のクロージングは私が行いましたが、Tさんには私よりも11人のコーチ達のそれぞれの時間の方がはるかに有意義だったようです。

プロのコーチにコーチングを受けることを否定するものではありませんが、身近にいつもいる仲間が自分に真剣に向き合ってくれている。これに勝るものはないのではないでしょうか。例えて言うならば、家庭がどんな経済環境・家族構成であろうとも、幼い子供は自分の母親が一番。母親からの愛情が一番なのと同じような気がします。

 

チーム作りに大切なのは、人をやる気にさせて成長の後押しをするのに必要なのは、スキルでも知識でもはたまた経験の長さでもない。そのことを、彼らは身をもって体験することで、しっかりと学んでくれたに違いありません。

そんな彼らが作っていくチーム。上手くいくことばかりではないでしょう。それでも、「仲間を思う心」を忘れない限り、一人ひとりが素晴らしいマネージャーでありリーダーになってくれると信じています。

 

この仕事をしていて、最も嬉しく思う瞬間を、今日も受講生の皆さんからプレゼントしていただきました。本当にありがたいことです。

 

人生もマネージメントもサッカーと同じ。

思うようには物事進まないし、なかなか点も入らない。しかしだからこそ、1点入った時の喜びは格段に大きいのだと思います。

感動のリレーコーチングを展開してくれた12名の受講生の皆さんに乾杯!

皆さんのそれぞれのサッカーゲームが楽しく有意義なものでありますように。心からのエールを送ります。

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